デッサン
- 6月4日
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パコではデッサンを小学生から課題に入れています。
これには賛否あって、「小学生からデッサンなんて。子供らしい自由な絵が描けなくなるよ。」という意見も。
これについては「アンリ・ルソーの絵を「超えられなかった」とうらやましがったピカソ。」の話が思い浮かびます。

ルソーは絵の勉強をしないで42歳から独学で絵を描いた画家です。ルソーについて読み解くと頑固で思い込みの激しい変な人ですが(笑)大好きな画家のひとりです。
原田先生とパコを作った時に、どうして私達は絵を描く事が好きになったかなどたくさん話しました。「上手く描けた」と思ったから。「絵がうまいね」と誰かに言われたから。など褒められたり、自分で納得の行く絵が描けたりがきっかけかなと思いました。
「上手く描ける」ってどういう事だろうと考えました。
私達には「影の発見」が大きかった事を話の中で思い出しました。文字でも人間の顔の絵でもなんでも、わからないながらも「影」っぽい線を入れてみた経験。するとなんか「立体」っぽくなった時の驚きと「あれ、これ上手く描けた!」の感覚。だいたいが広告の裏などに適当に描いた時で、ちゃんとした紙に描いた時より広告の裏の方が何故か上手くいった思い出(笑)。
「子供らしい絵」とはなんだろうと考えました。
子供の頃から猛烈なデッサン力のあるピカソがずっと描きたくてなかなかたどり着けなかった「子供が描いたような絵」。「ような」だから描けない。「子供じゃないから、大人だから」。自転車にも意識しないで乗れるし、お湯もガスで怖がらずに沸かす事ができるから。
デッサンを小学生から教える事。これを10年以上やって来ました。 子供の今しか描けない絵は「ような」じゃなくて本当に今しか描けない子供の絵です。
それはデッサンの課題で出来上がった絵を見てもそうで、本当に羨ましい程素敵な絵が出来上がったりします。ピカソの気持ちが良く分かる(笑)。 デッサンの描き方はできるだけ噛み砕いて小1〜小6まで同じ説明をします。デッサンはたくさん気をつける事があったり、決まり事に近い公式のようなものもたくさんあるので、その中で課題毎に1つまたは2つだけ気にかけてほしい事を話し、講師が描いている所を見てもらいます。
1年2年と描いている間にいつの間にか「光と影の概念」が体のどこかに染み込んでいるのが作品に現れたりします。いきなりびっくりする位のデッサンを描く生徒もいて、「何が起こったんだろう!」と思いますが、子供が成長していて何か腑に落ちる感覚に出会ったのかなと思ってニヤニヤ見ています。
「画力」。これはなんだろうと思います。
「コントロール」かなとも思います。
まっすぐな線を引くコントロール、鉛筆の種類の選択と筆圧のコントロール、水彩絵具なら水分量のコントロールや混色の具合のコントロール、余白をどれくらいにするかのコントロール、どこを引き立てて描くかの頭の中でのコントロールなど。
画力は練習と知識を得てコントロールできるようになれば必ず上がります。
ここをパコでは重点的に教えています。
低学年では筆圧が弱い子もいて、筆圧はだいたい6〜8歳頃に完成すると言われています。
筆圧がまだ出ない生徒には6Bなどの鉛筆を使ってもらったりしています。
教えられないのは「センス」です。 「好み」と言ってもいいかもしれないです。「趣向」。 これは私にも他講師にもご父兄にも、そして子供たちみんなにもそれぞれ強弱あれど必ずあり、これが「作品の特徴」だったり「それぞれの絵画教室の特徴」にもなってくるところでもあります。 「センス」は教えらないし教える事でもないですが、「動き」ます。 好きな色が変わるように。ではどうして「動く」のか。 「出会い」かなと思います。 いいなぁと思う気持ちの動き。好きだなぁと思う気持ち。 出会いをする為には、じっとしてないで出会いに行かないといけません。インターネットの中だけじゃなく、美術館の中だけじゃなくて、あちこちにたくさん転がっています。 パコでのたくさんの講師はそれぞれ全く違う絵を描いたり制作しています。主には私の色が色濃く出ていますが、私だけのセンスに寄り過ぎないようにできるひとつの武器で宝です。
デッサンを知るとまずはたくさん使いたくなります。使えるようになると「選択」ができるようになります。デッサンを使う事と使わない事を「選択する」事ができます。
「自分で選択する事、選択ができるようになれる事」。これを目指したいと思っています。

最初の話に戻りますが、ルソーの言葉に 「我々二人は、この時代のもっとも偉大な画家なのだよ。君はエジプト的なジャンルにおいて、私は現代的なジャンルにおいて。」と言われたと。 ピカソではなくルソーが言ったとされる所がルソーらしいですが(笑)。 お互いにリスペクトしていて、ピカソは画壇でヘタクソと言われまくっていたルソーをアトリエに招き、ルソーの為に夜会を開いたとも言われています。 仲良しおじさん同士(笑)。とても好きな話です。(笑)
